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SF・ホラー・ファンタジー
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カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)


ドストエフスキー
¥ 760 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟1 (光...
文体は饒舌で情緒的、観念的。登場人物は歓喜し絶望し冷笑し絶叫する。その感情の起伏はジェットコースターのよう。 あらすじ的には父親殺しを巡る推理劇と言えなくもない。しかし、メインプロットとはどうみても無関係に思われるサブプロット、ディテール、登場人物が、要するに枝葉がこれでもかとばかりに繁茂している。いったい今読んでいるこの部分は、この大木の幹につながっているのだろうか?とたびたび不安になり、うんざりしてくる。 たとえば神の存在について登場人物が開陳する持論。それが、先述の「過剰な」叙述でもって延々と描かれる。 第5巻の大半が費やされる訳者による「解題」によって、そうした「うんざり」の大半が相応の意味付けを与えられはするのだが、もし解題なかりせばとんでもない徒労感が読後に残ったことだろう。 ところで、本書が世に出た19世紀ロシア(もくは欧州)の人々は、この大作をどのように読んだのだろう。 もちろん解題などないわけで、その中でこうした収まりの悪い「過剰な」エピソードやディテールをどう咀嚼したのだろうか。 少なくとも現代日本のスピード感や文化的問題意識においてはどうにも向きあうことの...

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)


ドストエフスキー
¥ 820 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟2 (光...
フェラポント神父に始まり、スメルジャコフやスネギリョフ大尉などカラマーゾフを固める役者達が続々登場する。エピソードを通じて詳細な人物像が浮かび上がる。でもこの時点では、これが後半どのようなことに結びついていくのかはわからない。 わからないと言えば、「大審問官」も同じ。ゾジマ長老のアンチテーゼとして登場した感があるが、なぜかこの部分だけ邦訳そのものが難解。後半を読めば、第2巻でのエピソード群がどのような意味を持つのかわかるだろうと思いながら読み進めた次第。 一方、ミーチャの精神状態とフョードルとの関係はいずれも益々悪くなっていく。不安を抱えながら、第3巻へ突入する。アリョーシャは小川で子供のケンカに巻き込まれる。コレは、イワンの話の伏線だ。石ころは「闘争」パンは「貧困」を暗示する。くたびれた古いコートを着た少年は、孤軍奮闘インティファーダだ。 ■悪魔の質問「石をパンに変える」 コレは“争う兵士を平和な農夫にかえる”世俗政治の必要性だろうか?病気を抱える家族に、金銭的誘惑…姉歯建築士の耐震偽装事件05年11月を連想する。イワンの主張は『幼児虐待を前提としたキリスト教社会なんて...

十二番目の天使


オグマンディーノ
¥ 1,260 通常24時間以内に発送
★★★★

十二番目の天使
とてもシンプルな本だから読むその時々によって いろいろな受け方が出来るのだと思う。 今回はあまり心に響かなかった。 前置きが長くて4章位までは読み飛ばしたくなるでしょう。 いくら地位や財産があっても人生なかなか甘くない・・・ということを身をもって知る主人公ですが、少年野球チームの出来の良くないひとりの少年を親身になって面倒を見たことから彼は強い影響を受けることになりました。 『ひとを助けることは、自分自身を救う最善の方法である』 エドガー・ケイシーのリーディングより「毎日、毎日、あらゆる面で僕はどんどん良くなっている!」 「絶対、絶対、絶対あきらめない!」 ハーディングもチームメイトも、 そして読者もいつしかティモシーにいろんなことを教わっていく。何だか「よくある感動話」なのですが、なぜだかハマってしまって、ついついホロリときてしまう一冊です。 ティモシーが健気で頑張り屋さんで勇気付けられます。 読後に心がふんわかして頑張ろう!という気持ちにしてくれる一冊です。とても感動する素敵な作品でした。 主人公だけでなく、私たち読者までティモシーに勇気づけられます。 最初は、...

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)


スコットフィッツジェラルド 村上春樹
¥ 861 通常24時間以内に発送
★★★★★

グレート・ギャツビー (村...
なにしろ80年前の小説です。村上さんはよく「翻訳の賞味期限」をいい、現代語で訳文を書くことに努力され、本書も、たとえば会話で語り手が相槌をうつ場合「そうなんだ」と訳す箇所がありますが肯定文なのか相槌なのか分かりにくかったりします。わたしには大貫訳の方が1920年代風でしっくりきます。もっとも、新たに翻訳するということは、すなわち現代風の言葉使いにするということなのでしょうけど。うーん、村上さんの翻訳は、カポーティとカーヴァーがもっともマッチしていると思いますし、好きです。サリンジャーのケースも村上訳としてはあまり評価できなにのですが、やはり、原作の年代がもっと新しい方が読んでいて違和感を感じません。 大学生の頃「華麗なるギャッツビー」を読んだ記憶があります。当時、村上春 樹の「ノルウェイの森」を読み終わった後で、その主人公と先輩の長沢さんがと もに読んでいて、長沢さんが「華麗なるギャッツビーを読むような奴なら友達に なれそうだ。」といったセリフが印象的でした。 今回、映画を観終わった後、この村上訳の「グレートギャッツビー」を読みま した。学生の頃読んだ時は、さしたる印象もなく「何...

百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))


ガブリエルガルシア=マルケス
¥ 2,940 通常24時間以内に発送
★★★★★

百年の孤独 (Obra d...
レビューに触発されて買ってしまいましたが、なるほどこれは確かにすごい。 文学、音楽、絵画、映画、建築…とあらゆる芸術体系がありますが、この作品は「文学が可能な芸術表現の極み」に達しています。文学ってものがここまですごいとは思いませんでした。 まさに一読の価値あり。高いですが損はしません。私は図書館で借りて読んだのですが、手元に置いておきたくて結局現物を買ってしまいました。中古が出回っていないことからも、この本の質の高さが良く分かるかと思います。 たまに「読むのにかなり苦労する」という人がいます。同感です。或る一族の運命を数代にわたってずーっと追っていく年代記のような物なのですけれども山らしい山場がなくてあってもごく短く、また山場と言うよりは人物の特徴として処理されている感じがあるので読んでいる内は言うほどおもしろさを感じません(自分だからかもしれませんが)。自分は読んでいる内に半分流し読みみたいになってしまったり、読んでいるうちにまわりの人に「言うほど面白くない」とかいいふらしらりして今さら後悔していたりします。読了した後がすごいんです。猛烈に読み返したくなる。そう感じた当初なぜか分...

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)


ダニエルキイス
¥ 840 通常3〜5週間以内に発送
★★★★★

アルジャーノンに花束を (...
「アルジャーノンに花束を」という小説の題名は知っていましたが、このような哲学的な内容の作品だとは思いませんでした。医療や科学が障害者に何ができるのか。障害持つものの苦悩は本人しかわかりませんし、本人もわからない場合がある。それを一方的に、家族や医師や科学者が施術をほどこし、スーパー人間を作りあげる。それは本人にとって本当に幸せなことなのか?チャーリーは自ら、知を求め、手術を受け、能力を授かります。その結果、スーパー人間になるが、孤独は深まるばかり。そして、どんどん能力が衰えて痴呆になってゆく恐怖。これは、ふつうのエリートたちにもいえることではないでしょうか。優れた能力を持つヒトは、劣った人間を下げすみ、馬鹿にする。劣った人間たちは、さらにおとった人々をいじめて憂さを晴らす。人間の心理を知り、うまく働くなった脳を抱えながら、それでも生きて勉強をしていきたいと願うチャーリー、ヒトに施しを受けることを拒み、自立しようとする彼の生き様は尊敬に値します。私はたぶんアルジャーノンのように、すべてに絶望して死んでゆくのでしょう。この本は映画を見るように読むことができました。 皆様はわりと色々哲学的...

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)


ドストエフスキー
¥ 798 通常24時間以内に発送
★★★★★

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)
すべての人間が、「凡人」と「非凡人」にわかれる・・・凡人は、服従を旨として ・・・非凡人は、・・・かってに・・・を越える権利を持っている。 『ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ』、どこか親近感を感じることも・・・危ないかな。 カラマーゾの兄弟に続いて、この作品を読んだ。次は悪霊、そして白痴と決めていたが、しばらく、ドストエフスキーから離れたほうがよさそうだ。なぜか突然、初めてドフトエフスキーを読みたくなった。 ロシア文学は難しそうな気がしていたが、江川卓さんの翻訳は とても読みやすく、ぐんぐん惹きつけられた。 3日間で3冊読破しました。 人間の心の描写がここまで深くできるものかと、驚嘆するばかりだった。 それに、私は果たして主人公のようにここまで自分の存在の意味、人生を 考えてきたか・・・と考えさせられた。 これから、「悪霊」や他の作品も是非読んでみたいと思いました。なぜこのタイトルなのか?それが知りたくて読みました。 時代背景や宗教観にちがいはありますが、現代社会においてもこの本が伝える罪と罰の真理は変わらないと思いました。 陰と陽、天使と悪魔、裕福と貧困、権力と暴力。。。...

星の王子さま (新潮文庫)


サン=テグジュペリ
¥ 500 通常24時間以内に発送
★★★★★

星の王子さま (新潮文庫)
読み易い訳が素敵。 28歳にして初めて読んだのだが、最初の感想は、子供が読んで理解できるのであろうかという点。 「目に見えない、けれど大切なこと」は、何となく解っていもおいそれと口にできるほど確かではない哲学だと思う。 自分の好きな人達の中に未だ読んだことのない人が居たら、薦めて行きたい。 そんな1冊。恥ずかしながら、この作品を今まで読んだことがありませんでした。 タイトルも作者も知っているけれど どんなお話なのかすら知らなかったのです。 この作品はみずみずしい感性を持っているうちに読んでおいた方がいいと思います。 そうすれば、どんなに大人になっても寄り添っていける作品なんだろうなーって。 私は読むのが遅すぎたな。 そのせいか、あまり印象に残らないんです。 そんな自分の感性がとても残念です。私は高校生になって、 初めてこの作品を読みました。 そして、 こんなにも愛しくて切ない 心温まる作品があったのだと驚きました。 「王子さま」と人々の 何でもない言葉の掛け合い、 けれどそこから「大切なもの」を 見つけ出すことが出来るのだと感じました。 まだこの作品を読んだことがない方は、 是非読ん...

罪と罰〈中〉 (岩波文庫)


ドストエフスキー 江川卓
¥ 798 通常24時間以内に発送
★★★★

罪と罰〈中〉 (岩波文庫)
ポンポン話が進んでいく。 おもしろい。 見ていて(読んでいて)非常におもしろく すぐに残りのページが無くなっていきます。 ドゥーニャとラズミーヒンが恋に落ちるの かといましたが、勘違いでした。 心理戦は、荒木 飛呂彦さんの漫画(スト ーリー)と同じ。 ジョジョの奇妙な冒険が好きだから、この 本も途中で挫折せずに、読み進めることが 出来るのだと思っています。 (他の漫画にも心理戦はありますが、陳腐 なので・・・) 次は、(下)を読まねば!!さすがドストエフスキーと言いたくなるような力強く読みやすい文体にぐいぐいと引き込まれ、いっきに読んでしまった。サスペンス、恋愛、ミステリーといったあらゆる要素が凝縮されていて、とてもひとくくりにはできない奥深さがある。 第2巻の本書はラスコーリニコフの苦悩、次第に周囲の目が自分に向きつつある中でのポルフィーリとの緊迫した駆け引きが描かれる。ポルフィーリとの心理戦もさることながら、ルージンとの縁談における強烈なまでの非常に人間臭いやりとりも見ものである。ã?"ã?®å??ã??è??ã??ã??å??ã?¯ä??ã?'è??ã??ã?¦æ®º...

クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?


エリヤフゴールドラット 三本木亮
¥ 1,680 通常24時間以内に発送
★★★★★

クリティカルチェーン―なぜ...
小説形式で、プロジェクトがなぜ締め切りどおりに進まないのか、対処はどうしたらいいのかを教えてくれる良書。TOCに興味がある人にはお勧めの本。 MBAの授業形式をとっているので、MBAを持たない僕にもMBAの授業ってこういう風に進むのかぁ(また、逆に進まないのか)という参考になった。 仕事をしている人、プロジェクトをかかえていう人はぜひ読んでみて欲しい。 反対に、学生とかプロジェクトをかかえたことの無い人には、実体験や問題意識が少ないだろうから、この本の本質的な理解が難しいのではないだろうかと感じた。 ゴールドラット博士の本は、これが始めてです。 小説形式なのは、とっつくやすく読み進めやすいという利点がありますが、 ストーリー展開とか、いわゆる小説を期待してはいけませんね。 あくまでも、プロジェクト管理へのTOC理論の応用を具体的に展開する ツールという風にわりきっていいと思ます。 さて、製造業に限らず、業務プロセス、プロジェクトプロセス管理は、 予算超過、スケジュール超過という2大問題は避けて通れない宿命の感が あります。現実には、KKDで乗り切るということが多いのではないでしょうか...

罪と罰〈下〉 (岩波文庫)


ドストエフスキー
¥ 840 通常24時間以内に発送
★★★★★

罪と罰〈下〉 (岩波文庫)
主人公ラスコリニーコフは、自惚れやで執念深く、ヒポコンデリーの症状のある男であり、 自分自身そのことに気づきながらも、自分には「しらみ」のような他の人間にはない「人間」 たる何か(例えば、世の立法者や権力者となる素質)があると信じている。 こうした主人公の特徴については様々な解釈があると思うが、私はこれらの徴候は全て自己 愛に基づくものだと考える。つまり、ラスコリニーコフは自己愛に生きているが故に孤独であ り、「病的な自尊心の持ち主」だったのである。例えば、親身になって自分や家族の世話をし てくれているラズミーヒンに対して、彼は「いい男」とは言うが、一言も礼など言わず、むし ろその親切に対して迷惑だと言ったり、軽蔑したりしている。また、他人をほとんど自分より 下等のものと見たり、馬鹿にしたりすることに何の罪悪感もない。 彼は刑務所に入ってからもしばらくの間は自分の犯した「罪」を自覚できなかった。彼があ の殺人に対して抱いたものは、老婆への心からの贖罪ではなく、「しらみ」のような老婆を殺 すために、彼が歩むはずだった偉大な人生に汚点をつけ、母と妹を苦しめたことへの悔やみ だっ...

カラマーゾフの兄弟 上 新潮文庫 ト 1-9


ドストエフスキー
¥ 860 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟 上 ...
今、この小説の5度目の再読中。世界の文学作品中、真に読み継がれていくべき名作の1つであり、途中で止めるにしても、まずは読み始めてみることをお勧めします。読み進める中で、魅力的な登場人物達の各シーンでのセリフ、行動から、人間というものの多彩さについて読者は考えさせられます。 私にとって、上巻で(又は全巻を通じても)最も感動的なシーンはイリューシャ少年のエピソードです。主人公アリョーシャの長兄ドミートリイから、大好きな父親が受けた侮辱を少年はどうしても忘れることができない。最後には「パパ、ねえ、パパ、大好きなパパ、あいつはパパにひどい恥をかかせたんだね!」と父親と抱き合って泣いてしまう。2人の娘の父親として、自分の子供のこうした感情はなんともかわいそうで、何度読んでも、やり切れない気持ちになってしまいます。とても優しい少年の心に感動します。 これに対して、アリョーシャは、今になればドミートリイが自身の行為を悔やんで許しを求めるはず、とその父親に誓うのですが、高潔な精神を持つドミートリイは確かにそうするかもしれないと思います。しかし、そうしたシーンは結局出てこない。そこがまた、なんとも悲し...

日の名残り (ハヤカワepi文庫)


カズオイシグロ
¥ 798 通常24時間以内に発送
★★★★★

日の名残り (ハヤカワep...
よく本を読むのが早いといわれるのですが、 イシグロさんの本を読むときはじっくりじっくりです。 気持ちに余裕があるとき、 でも、ハイになってないとき、 夜、ひとりで静かに読みます。 じわじわきます。違う時間が流れるかんじがします。裏表紙の説明はヘン。「輝きを増して」とかでも、古きよきイギリス、とかでもない。 自分の生き方をしっかり持って、その生き方の中では最高に近い形で生き抜いたのに、なんで全てが(全てが、である)うまくいかなかったのだろう、という思い。 父親の老いとその死に行く姿と、現在の自分との重なり。 父親の「自分はいい父親だったのだろうか」という問いは、 主人公の「自分に何の品格がありましょうか」という嘆きに重なる。 それでも前向きに生きていく。生き方を変えず。 だけど、それは作者の真意だろうか。説得力があまりにも薄い。自分には、作者が主人公を幸せにしたかっただけのように思える。格調高きイギリス貴族の大邸宅で、ひっそりと昔に思いを馳せる老執事。登場人物も決して多くはないし、彼の行動範囲も広くない。私情を挟むことなく、仕事に徹してきた人生に、時間はゆっくりと確実に過ぎて...

カラマーゾフの兄弟 下  新潮文庫 ト 1-11


ドストエフスキー
¥ 860 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟 下  ...
ドスト氏は、期待していた。アリョーシャがキリストの似姿として読者に読まれることを。私のおぼろな記憶が確かならば、物語の最後のほうで、アリョーシャが子供たちに囲まれて、何か語る場面があったはずだ。その囲んでいる子供の数は、確か、11、2人だったはずである。11、2人。イエスの弟子はイスカリオテのユダを除けば、11人、入れれば12人だ。確か、これを最後にアリョーシャの姿は、物語から消えてしまう。 太宰は、期待していた。「周さん」がキリストの似姿として、読者に読まれることを。「惜別」において、「周さん」は物語の最後のほうで、帰国して、民衆の精神を改革するため文芸運動を起こす決意を語り手に述べ、これを最後に「周さん」の姿は物語から消えてしまう。アリョーシャと「周さん」、両者は、何事かをなす前に読者を置き去りにして消えてしまうのである。「惜別」には、「周さん」が創作したとされる、難破した水夫の話が登場する。この話を井上ひさし氏は、『人間合格』において芥川「蜘蛛の糸」に出てくるカンダタの生前の行為とほとんど同じ話としてとらえている、と私は見る。つまり、どんな罪人でも、一生に一度は、よい行いを...

この世で一番の奇跡 (PHP文庫)


オグマンディーノ
¥ 580 通常24時間以内に発送
★★★★★

この世で一番の奇跡 (PH...
我々がこの世に生を受けた理由のひとつに、我々人間がいかに偉大な存在であるかを知るというものがあります。 物質主義が横行し始め、文明の発達と引き換えに、人間自らの神性の可能性を犠牲にしてきました。 我々人間は、存在自体そのものが奇跡的なことであり、そのままの存在として神から無条件に愛されております。 愛されているからこそ、この世に生を受けることが許されたわけであります。 人間には、元来無限の可能性が宿されております。成功者は口を揃えて言います。 「心に信念として思い続けたならば、必ず実現する」と。この3次元世界は、時間という概念が 存在しているため、思いが現実となるには時間がかかります。凡人は自分の可能性に疑問を持ち、 途中で諦めてしまいます。成功者は、成功するまで自らの可能性を信じ続けます。 この世を楽園にしようと多くの人が思えば、必ず実現できると思います。人間には、無限の可能性が あるのですから。世界中で売れているだけのことはあります。 大げさかもしれませんが、私の人生を変えた1冊です。 人生に疲れた人や、絶望している人、死ぬことまで考えてしまっている人に、読んでもらいたい本...

永遠の都〈上〉 (潮文学ライブラリー)


ホールケイン
¥ 1,200 通常3〜5週間以内に発送
★★★★★

永遠の都〈上〉 (潮文学ラ...
デビッド・ロッシィはイタリア・ローマの国会議員だが水面下で仲間達と、真の「人間共和」を目指していた。しかし、ロッシィには重大な秘密が!本当に素晴らしい国を建設するには、実に様々な困難がつきまとうことを教えてくれた本だ。ロッシィが目指すものは、民衆が中心の、民衆が主役である国だが、とても共感できる。しかし、いいものを目指すには当然、周りからの、嫉妬や妨害も当然あるわけで、読書中は次々に起こる障害に、常にハラハラ・どきどきした。途中、彼の一番の仲間が大変にことになってしまうのだが、それはとても痛ましい。大いなる善には幾らからの犠牲はやもうえないのか?これは政治を行う上で、永遠に解けない疑問のような気がする。

カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)


ドストエフスキー
¥ 820 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟〈中〉 ...
中巻は、おおきくわけて二部ある。一つは、ゾンマ長老の死にあたって苦悩するアリョーシャ、そして二つ目は、ドミトリーの破局(完全にそうなのかは下巻を読まないとわからないが)である。 ゾンマ長老の死については、死んだ後でも聖なる人は決して死臭がただようばかりか、かぐわしい香りがすると信じられていたことに、まずカルチャーショックを覚える。で、実際、当然のことながら死臭がするのだけれど、それによって、長老制度に反対する物や、生前ゾンマ長老をよく思わなかった人たちは、生前の長老の行いについてやれこれと中傷はすれど、科学的な意見はでてこないところをみると、その時代のキリスト教の浸透がいかに磐石であったかをものがたる。なによりアリョーシャはそれにひどくショックを受けるが、彼なりに最後に悟りに似たように目が開ける。自分的には、彼は、きっと教会内部の権威やしきたりに縛られるのではなくて、社会の人に尽くすことが大事であると悟ったのではないかと思えた。ここででてくる寓話が、芥川龍之介の「くもの糸」とそっくりなのに気がついた。ロシアではくもの糸の変わりに「葱」であるところが面白い。 つぎにドミトリーであ...

コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))


ガブリエル・ガルシア=マルケス
¥ 3,150 通常24時間以内に発送
★★★★★

コレラの時代の愛 (Obr...
「51年9ヶ月と4日、男は女を待ち続けていた・・・。」 こんなキャッチ・コピーが踊っている本を手にした。 そこに書かれていたのは、「永遠の愛」とも言うべきもの。 それは、ファンタジーの世界と言った方が良いのかも知れない。 若いときの流行病のような衝動的な恋が、長い年月の二人のそれぞれの経験を経て熟成され、ラストの二人の船旅に完結する。 そこにあるのは「永遠の愛」。 現実的な生活(=安定)を求めて結婚し、子をなし、添い遂げた女性。 そんな彼女への貞節を守りながら、見守り続けて生きてきた男性。 女性の夫の死によってもたらされた二人の再会。 大河ドラマのようなリアルの描写で描かれて行く二人の人生と、彼等に拘わり生きていく人々。 この人物描写の精緻さが、この物語のリアルさをもたらしているが、全体のストーリーはファンタジーそのものである。 この二つの要素の鬩ぎ合いが、物語に緊張感を与え読ませる。 現代社会においては、ストーカーと言われても仕方の無いような男性の行動にも、共感を感じてしまう。 そんなところに作者の筆の力を感じてしまう。 何とも言いようのない心...

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)


J.D.サリンジャー
¥ 924 通常24時間以内に発送
★★★★

キャッチャー・イン・ザ・ラ...
やっと読めました、この本。 野崎孝訳の『ライ麦畑でつかまえて』は文体が読みにくく、3年もかかって読めなかったのだが、これは一気に読んで2日で読めた。さすがは村上春樹、米語翻訳うまいなー。 ということで個人的に、かの「The Catcher in the Rye」を読みきれたというだけで感動。 そんなわけで読みやすさにかけては野崎孝より村上春樹の方に軍配が上がると思うけれど、ネットで書評を見てみると、野崎孝訳の方が好きという人も結構いるんですね。要は村上春樹は意訳しすぎてる・・・といった理由で。 でも時代に応じて表現の仕方って変わるものであって、かつての訳を現代語訳(?)にするってのはそんなに悪いことじゃないと思う。それに訳者によって訳し方が違うのは当たり前じゃないかとも思う。だから、どの翻訳が良いかってのは大方言うことなんて出来ず、読者個人の感性にぴったり合うものを選ぶしかないんじゃないかなー。 悔しかったら原著をそのまま読むしかない・・・と、そう思う。 さて本書はホールデン・コールフィールドという16歳の高校生が主人公。 彼は英語以外の授業に対してやる気がなく、1...

赤毛のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン)


L.M.モンゴメリー
¥ 820 通常24時間以内に発送
★★★★★

赤毛のアン (講談社文庫―...
はじめて読んだ赤毛のアンが、この完訳シリーズのものでした。 そして数年後に本が欲しくなり、訳者さんが分からずに、別の方のを買いました。それは、かなりエピソードが省かれていて、がっかりしてしまい… 2冊目で、この本が買えました。 やっぱり、完訳だからこそ、深くアンを知ることができると思います。 大人になった今でも、一番好きな本です。 掛川氏の訳は特に会話の訳し方が生き生きとしていて素晴らしい。ただ瑕疵といえる物が少しある。まず、いわゆる日本語の誤用である。この本自体にはなかったが、氏が訳した続編では、雨模様という言葉が雨が降っている状態を形容するのに使われているが、この言葉は雨のふりそうな様子を形容する物である。また、デイビーが鬨の声を上げて入ってきたという表現があったが、鬨の声とは大勢の人間が一度に上げる声のことである。次にファッション用語とキルティング関連のカタカナ用語の多用である。これらの言葉は国語辞典にはほとんど載っておらず、調べるには、インターネットを使うか、ファッション事典、キルティングの本を用意するしかない。特に、キルティングは他の訳者が日本語で解るように訳しているのに、...